2019/07/12公開、2019/09/26最終更新
それはエクスプランテの2019年8月12日(祝・月) に東京大田区「本と工房の家」にて開催予定の第13回 旧暦カフェ・ワークショップ 「七夕」 に向けての準備中のことでした。
ワークショップのお知らせの中で発した「マコモ(現在探索中)」の小さなひと言に、その後お会いする方々、以前旧暦カフェにご参加下さった皆さん、そして、2019年7月にもんきりワークショップを開催した長崎県・諫早神社の皆さんからも様々な情報やご協力の声をいただき、マコモ探索の道がどんどん進んでいきました。
マコモが葉を伸ばすように進展していくその様子を、ぜひサイトをご覧の皆さんとも共有できればと思い、ご協力いただいている皆さんの許可を頂戴してその経緯の一部を紹介させていただきます。
三井田さんより
こんばんは!
マコモ・・・あちこち 声かけていますが・・・
今日はJA直売所へ聞きにいったら マコモダケを特産品としてるところを紹介してくれました。
早速 御電話したら どれくらいの量がいるのか? もうすでに葉っぱが 五センチくらいの巾になっていて 長さは二メートルくらいになっているそうです。 それで いいのでしょうか?
健康ブームにのり 栄養価の高い マコモは人気があるみたいです。
三井田さん
わお!いろいろ動いてくださって感謝です。
ずいぶん大きくなるものなのですね。
マコモ馬は一旦干したものを湿らせて作るようです。
マコモ以外にも手に入る材料(藁やチガヤ)があるので、今度の旧暦カフェワークショップで参加者全員に行き渡らなくても、ともかく「生えているままの」植物としてのマコモに少しは触れてみたいと思っています。
本数や長さも現物のボリュームを見ていないので、判断できないので、三井田さんが扱いやすい量で構いません。
2mのままというわけにもいかないですよね。適当に丸められるかしら?
なんだかすっかりお世話になってしまいますが、
旧暦カフェの頼もしい味方!ありがとうございます。
今回は前回ご一緒した佐藤さん親子がいろいろ調べてくれています。
ではでは。何かあればどうぞご連絡ください。どうぞよろしく。
色々調べていただいている
佐藤さん親子より
こんにちは 佐藤です。
はるばる遠くから三井田さんのマコモのお迎えですね。
乾燥した真菰、水に浸けた真菰しか見たことがないのですが、乾燥すると葉が丸まるのですね。
5センチの幅とは迫力がありますね。
今朝、補修用にもらった真菰を1本使い、復習用にちび真菰馬を作りました。
皆さまと作れるのが本当に楽しみです。
長崎県・諫早神社の宮本さんより
諫早神社 宮本です。
エクスプランテさんのインスタグラム等で
「マコモを捜索中」との記事を拝見しておりましたので、
先日、神社行事の折に
神社の世話人の方(農家さん)に
「マコモは近くにありますか?」とお尋ねしたところ
その方は聞いたことがないとのことでしたが、
その後、農家さんの仲間にお聞きいただき
これかも!? というのがあったとのことで
今朝、サンプルを持ってきてくださいました。
ただ、恥ずかしながら
当方ではマコモかどうかの判別ができませんでした…
もしご入用でしたら、
明日お伺いする際にお持ちしてみようと思いますが
いかがでしょうか。
ご参考に写真を撮りまして本メールに添付いたします。
ご確認くださいませ。
宮本さん!!
ありがとうございます!
嬉しい。ぜひお持ちいただけますか。
お忙しい中、お気にかけていただいて嬉しいです。
この頃みんなにマコモマコモというものだから情報が来るのですが、
なんと3名の方からスーパーで売っているお盆グッズのことでした。
さっきも午前中のお客さんとその話をしたところです。
私たちが今探している生えているままの植物の情報は未だなかったところに
宮本さんの朗報!
このマコモ探索自体が一つの物語として面白いです。
この植物がかつてはたくさん生えていいて、
様々な行事や暮らしに役に立っていたこと、
なんと「花勝見」という文様のモデルという説もあるということもわかってきました。
(七夕)馬は藁や他の植物でもできるのですが、せっかくなので、この植物を追求してみようと思っていました。
お荷物になりますが、ぜひ見てみたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
以前旧暦カフェご参加の
三井田さんより
こんばんは、三井田です。
先程 農業組合の方から電話頂き 来週 矢田へ マコモを 見に行く約束しました。
伊勢神宮の しめ縄が 本来 マコモらしくなかなか無いから代用品になった… とか 美容によい…とか近々 粉末が医薬品認定受けそう…とか これから ブームがきそうな 気配です。
馬は お精霊馬 なのかなあ!? 七夕でも 馬なのですね。新潟は なすやきゅうりだから… あたまが 七夕と お盆と ごちゃ混ぜです。
現地に行き適当に 選んで 早くても 送ったほうが よいですか?
三井田さん
こんばんは。
私も真菰が頭の中でぐるぐるです。
どうやら「伊勢の麻、出雲の真菰」と言われるらしいですね。
神様が土を踏まないように真菰を敷く、真菰の神事というのも出雲にはあるようです。
お盆の精霊棚に敷く「むしろ」も真菰です。
(この間、少しづついろんなことがわかってきて面白いです)
真菰がこんなに重要な植物だったのに
七夕は本来お盆の先触れの行事だったことが七夕馬の存在で腑に落ちます。
精霊馬と同じなのではないかと思います。
千葉県にはたくさんの種類の真菰馬が盛んに作られたという研究も見つけました。
なぜ、米作りの盛んな(真菰がたくさん生えてそうな)新潟で作らないのかな?
知るほどに、「問い」も増えていきますね〜。
送るのは早くても構いません。
三井田さんが都合のいい時に送ってください。
干しておいて作る時に濡らして柔らかくして使います。
お手間をかけますが、、、
楽しみにしています。
実は今日もう一つ急展開がありました。
今度仕事で長崎の諫早神社に行くのですが、(その神社でも神前には真菰の筵を敷くそうです)そこの宮司さんもインスタグラムの「マコモ探索中」を見て、探してくれたのです。
氏子さんが「あるよ」と教えてくださったようなので、
仕事のついでに生えている場所を見に行くことになりました。
こちらは育てているマコモではないようです。
そこからも少しもらってこようかと思いますが、三井田さんのマコモもお願いしたいです。
マコモ研究隊、面白くなってきましたね〜。
よろしくお願いします。
さっきまで長崎の諫早神社の宮司の宮本さんと打ち合わせしていました。
もってきてくれた植物は以下の通り。
穂の感じと根元がふわっとして空気の入る厚めの茎になっている様子などから
マコモだと思いますが、最近実物を見た佐藤さんどうですか?
7/21の長崎・諫早神社でのワークショップの後、その日に生えている場所を氏子さんに案内してもらい、自分で刈り取って持ち帰ることにしました。
これは作物ではなく、自然に生えているものらしいです。
どんなところに生息するのか見るのも楽しみです。
三井田さんにも入手お願いしてあります。
これはマコモダケ農家のもの。
少しづついろんな情報が集まりますね。
宮司さんも色々調べていくうちに、どうやらマコモは神道でも大事な草なのに
今ではすっかりそれが忘れられているらしいこともわかってきたそうです。
神様をお呼びするときに地面に直接足をつけるのは申し訳ないので、マコモを敷いたという記述があるそう。(出典は聞きそびれましたが)
おおお!宮司さんもすっかり、旧暦カフェ研究チームの一員ですね。
この諫早神社では一旦失われた「諫早くんち」や「流鏑馬」、「夏越の祓」などを彼の代で色々復活させ、地域社会の核場所として開かれた神社を目指していらっしゃいます。
(その一環としての親子もんきりワークショップでもあるのですが)マコモ馬もやってみようかな〜とおっしゃってました。
関東ではだいぶ広く作られていたようですが、九州はどうなのか?など色々調べたいですね。
当たり前すぎて気に留めていなかったことも、よく考えると面白いテーマがたくさんあるものですね。
本日の報告でした。
三井田さんより
三井田です。
マコモをお盆に飾るのは、 浄土宗? 真言宗?あたりかなあ?
そういえば 嫁いでいままで何気なくやって来たけど…
姑に 8月7日、 お寺に行き墓そうじをする日、と言われてやっています。 きっと 7日、いみがあるかも?
新潟には 荻の島の 茅葺き、いわすげ 上杉謙信が財をなしたカラムシ、 色んな草があります。
それらを作っている友人にも ゆるりと マコモを 聞いてみますね。
三井田さん
ありがとう。
それそれ!8/7(なんと旧暦七夕ですね)のお墓掃除。
「東北地方ではこの日をナヌカビと呼び、井戸さらえをしたり、虫はらい、墓掃除、金物磨きなどをするほか、女の髪洗いまで、この日にするとよく落ちるという。」
と『年中行事図説』(民俗学研究所編 柳田國男監修)にありまする。
なんか特別な日みたいですね。7日って、旧暦だと半月ですね。お盆は満月。それもあるような気がする。
みなさんのマコモ探索記、楽しみにしています。
今回旧暦カフェ七夕に向けて
色々調べていただいている
佐藤さん親子より
こんにちは。佐藤です。
(資料館の方からすすめられて)真菰馬について調べに図書館へ。
図書館の方は「真菰馬ってなんですか?」
「おそらくこういうものでして、かくかくしかじか調べてまして。」とお話ししたところ、
「それなら調べてお知らせします」と。
レファレンスってすごい!
たくさんの七夕馬について書かれている本を教えて下さいました。
知れば知るほど、七夕は全部乗せ。
時期なのか七の不思議か。
こんなに色んな祈りや願いを習合させるとは、なんだか凄い日。もしかしたら、それだけ怖い日。
これから、以前教えていただいた文化館に行ってまいります。
まだ七夕馬の展示と七夕馬資料もあるそうで、楽しみです。
大人の自由研究、楽しいですね。
今回旧暦カフェ七夕に向けて
色々調べていただいている
佐藤さん親子より
おはようございます。佐藤です。
今日もしとしと涼しい朝ですね。
東京の夏はいつ来るのでしょう、最近汗をかいてません。
昨日、千萱馬のことを調べに行く途中でびっくり。
公園の池に見つけました。真菰!
ちょうど、池の整備をしている方がいたので聞いてみましたが、
こちらの池は都が水生植物の管理をしているため、刈っちゃだめ。
真菰に後ろ髪を引かれつつ、文化館で千萱馬の展示、ちゃが馬資料調べ。
展示された七夕馬、本物は美しい。
・・・
ばらばらに入った情報が、ぐるーっとひとつの大きな宇宙につながりそうですが、まだ頭はぐるぐるとまとまりません。
七夕は壮大な行事!
大人の自由研究、楽しいですね。
エクスプランテ
しもなかなぼ
佐藤さん
おはよう。
本当に!
ばらばらに入った情報が、ぐるーっとひとつの大きな宇宙につながる
その感覚ですね!自由研究の醍醐味は。
佐藤さんとこの気持ちが共有できてすごく嬉しいです。
私の方は、、
旧暦カフェ 夏越の祓のためのチガヤのいっぱい生えている空き地に下見に行ったら、、、
なんと、全部刈り取った上、緑色のシートが敷かれており、、、
ショック!空き地に草が生えていてもいいのに、、、残念無念の風景になっていました。
きれいな草地だったのに、、、がっかりです。
7・8月にワークショップを開く
長崎県・諫早神社の宮本さんより
諫早神社 宮本です。
出雲大社のマコモ神事も、興味深いですね。
インターネットで調べると
真菰で編んだ草枕をご神体にしている神社もあるのだとか。。
ちなみに、神社で使う「コモ」について
手元の資料『神社有職故実』(神社本庁出版 八束清貫著)を見てみたところ、
・・・「普通、神座・神籬・幣案・饌案・玉串案等の下には真薦を用ゐる。真薦は水辺に生ずる真薦で作り、白糸で十封(封は網目をいふ)に編む。」・・・
とあり、古くから敷きものとして使用されていたとのことです。
エクスプランテ
しもなかなぼ
宮本さん
宮司さんがチームマコモ探査にいるとこんな専門書も登場。すごいなあ。
しめ飾りの研究家
森須磨子さんより
あたらしい情報が届きました
しめかざりでは、スーパーで販売されている海外製のものでも材料とされていることがあります。
また、マコモにこだわってしめ飾り講座を開催している公民館もあります。
(公民館で自分たち用のマコモを育てています。)
「しめかざりは藁」と言いますが、「藁」の中には様々な植物が含まれますね。
エクスプランテ
しもなかなぼ
興味深いお話がどんどん集まって、、、!
さてさて、「マコモ」の別名は「ハナカツミ」であると、図鑑にありました。
え!「花勝見」という名前の文様があったはず。ということで調べてみました。
『文様の手帖』(小学館出版 尚学図書・言語研究所編集)には以下のような説明が。
「勝見(かつみ)」マコモ(真菰・真薦)の葉・花穂などを図案化した文様。「勝見」はマコモの古名。
ただし、このマコモ=花勝見文様 には別の説があり、『家紋の事典』(東京堂出版)の著者の高澤等さんによると、これは田字草(デンジソウ)であると。
さて?どちらが似ているかな?
デンジソウ(上の画像)には穂、あるいは根のようなものはないので、マコモの方が似ているような気がする、、、。
以前旧暦カフェご参加の
三井田さんより
マコモ田のご報告
三井田です。
マコモ 柏崎市の矢田は 営農組合作って 頑張っていますが、、
あちこちで 栽培しているのが わかりました。
機械が入らない、場所を有効利用するために何が向いているか
試行錯誤したそうです。
奥まった 高台へ車を走らせると、シーンと静まり返ってて
心あらわれるようでした。
森林浴&真菰浴、、、元気になれます!
矢田は無農薬栽培なので これから雑草取りに時間がかかるそうです。
無農薬にこだわりたい。。。ということでした
エクスプランテ
しもなかなぼ
7月22日。台風5号通過後、大雨注意報も出た長崎県諫早。
今日はやっと青空がのぞきました。
宮司の宮本さんが案内してくださったのは、田園地帯の用水路。
河上神社の世話役の白石春一さんが待っていてくれました。
白石さんが雨で水量が増し濁った水に腰まで浸かってマコモを採集してくれました。
この川はかつては諫早湾に注ぐ汽水でかなり奥まで潮が上がったそう。
子供の頃は、ここで泳いだりうなぎやヤマトシジミ(貝)を採ったそう。
マコモの横にヒシがほんの少し浮いているのを見て、これも昔は生や茹でて実を食べたよと教えてくれました。
今は、諫早湾の干拓で潮が上がらなくなりこれらの生き物も遊ぶ子供の姿もすっかりなくなりました。
鯉やスッポン、ジャンボタニシ(これは稲を食べてしまう)がいます。
それでも干拓の前は水の管理が本当に大変で、おかげでずいぶん良くなったと。
今でも水門を見回り田の水を管理する「水役」は責任重大な仕事だそうです。
マコモを刈りながら、「そういえば、昔は軽いので、これで蓑を作ったなあ。」と。
白石さん、宮本さん、本当にありがとうございます。
マコモの生えている場所を見ることができて、
そこでの生活についてお話を聞けたこと。よかった!
今頃段ボール箱に入ったマコモが東京に向かっています。
エクスプランテ
しもなかなぼ
三井田さんが、新潟の柏崎から送ってくれたマコモがエクスプランテに無事届きました!
なんと包みの中に、タラヨウの葉っぱも入っていました。
三井田さん、ありがとうございました!
おかげさまで、長崎県諫早と新潟県柏崎で採取されしっかりと送っていただいた貴重なマコモ、そして都内のチガヤや藁など、各地のみなさんの夏の自由研究の成果が東京大田区のエクスプランテに集まり、旧暦カフェ・ワークショップ「七夕」は2019年8月12日に無事終了いたしました。
大人もこどもも場を共にし、豊かな材料や知見が日本各地から持ち寄られ、夏の一日に自分たちの手で草を綯い旧暦の時間軸で七夕という行事にあらためて思いを馳せた当日の様子は、【ワークショップご報告】旧暦カフェ・ワークショップ 第13回「七夕」 東京大田区 本と工房の家からご覧いただけます。
長く続いたマコモをめぐる自由研究も、そろそろ終わりのようです。
この自由研究のお話を、今回旧暦カフェ七夕に向けて色々調べていただいている佐藤さん親子のご協力により、東京から諫早に里帰りしたマコモ馬の様子で締めくくらせていただきます。
今夏特に激しい大雨が続く九州・長崎の皆さまのご無事をお祈り申し上げます。
エクスプランテ
しもなかなぼ
諫早神社に戻るマコモ馬
エクスプランテ
しもなかなぼ
マコモ馬はやはり自然の中に置くのが似合う
魂の乗り物
しもなかなぼ (『しもなかなぼ の 日々のかけら』より
NEW!
エクスプランテ
しもなかなぼ
近所の八百屋で見つけてさっそく購入。
今夜食べてみようかと。
しもなかなぼ (『しもなかなぼ の 日々のかけら』より
調べるにつれ、答えの先に見えてくる問い。
自由研究は、深く楽しい森のようですね。
この森での探検を、この夏共に楽しんでくださった皆さま
豊かな時間を、ありがとうございました!
皆さまのお住いのお近くにも、マコモは生えていますか?
今回、マコモ自由研究のきっかけともなった、旧暦の時間軸で日本の行事を再発見する「旧暦カフェ・ワークショップ」は、今後も開催予定です。
また次回開催の詳細が決まりましたら、小社エクスプランテのサイトでもお知らせいたします。
エクスプランテの旧暦カフェ・ワークショップ予定
https://www.xpl.jp/tag/kyurekicafe/
そのほかにも、今夏のもんきりワークショップも各地で開催を予定しております。
残念ながら諫早神社でのもんきりワークショップは終了しておりますが、これからも新しいワークショップが決まり次第サイトでもお知らせいたします。
皆さまお誘いあわせの上、エクスプランテのワークショップにお気軽にご参加下さい。
エクスプランテのワークショップ予定
https://www.xpl.jp/tag/workshop/