9月9日は、重陽の節句。

2024年、旧暦の9月9日は新暦10月11日になります。
菊の節句を楽しんでみませんか。

【初稿2017年の記事をご紹介します】

その昔、季節の変わり目に行われる行事がありました。

1月7日に七草粥をいただく「人日(じんじつ)」、3月3日の桃の節句「上巳(じょうし)」、5月5日の「端午(たんご)」、7月7日の「七夕(しちせき)」と合せて、9月9日は「重陽(ちょうよう)」菊の節句。
これら五つの行事を合わせて、五節句と呼ばれていました。

9月9日は、奇数(陽数)である「九」が重なる日。
重陽の節句は中国や宮中行事から伝わり、九が重なる「重九」を「長久」とかけ、人々の寿命の長いことを願ったともいわれています。
明治に入って暦法が改められると共に五節句が廃止されると、生活に定着していく節句もあるなか、気がつけば、重陽は現代の暮らしのなかで耳にする機会が少なくなってきています。

昔の人たちが重陽の節句を行事として行っていた旧暦の9月9日は、今の新暦では10月下旬のころ。
季節の花である菊の力を体にとりこむかのように、花びらを浮かべた菊酒をかわしたり、詩をよんだり菊を鑑賞して、季節の変わり目の邪気を払い長寿を願いながら一日を過ごしたようです。

現在の9月9日では、まだ夏の暑さが残るころで、菊の花にも早い時期。
そこで今年の9月9日は、昔の人々の暮らしに思いをはせて、お茶の時間やお食事の時に菊の花の代わりに、紋切りの切り紙をそっと添えてみませんか。

重陽の節句は、新刊『日本の行事』でもご紹介しています。

また菊の花の紋切り型は小社エクスプランテの出版書籍、 紙あそび歳時記 日本の行事 、 紙あそび歳時記 咲く 、 豆紋 、豆紋2 、月之巻 、 地の巻 、のぞき紋 、キリガミは そばちょこ などにも掲載しております。
お手元にエクスプランテの書籍をお持ちの方は、ぜひページをめくって楽しんでいただければと思います。

一番上の画像でご紹介しているのは、大きさを変えて切った青い禿菊(かむろぎく)を重ねたものです。(禿菊の紋切り型は、紙あそび歳時記 咲く 、 月之巻 でご覧いただけます。)

厳しい天気だった今年の夏も、早くも秋へとバトンタッチしています。
夕方日の落ちるのが早くなってくると、なんとなく体が重いような、夏の疲れが出やすいこの季節。
先人の型の通りに手を動かしてゆく静かな紙あそびの時間を心穏やかに楽しみながら、少しずつカラダのリズムを整えていきたいですね。