細かい絵柄の切り紙は、まとまった時間をとって「目は臆病、手は鬼」とばかりに一気に切るのもよし。この連休はまさにうってつけ。
さらに、それとは別に細切れの時間を少しずつとって、長い期間をかけてじっくりと切り進めるのもまた楽しみです。
小社エクスプランテの『中国のめでたい形』に掲載されている「五毒」のかたちを、手持ちの白い紙で切り始めて、早数年。
それほど込み入ったデザインではないのにのんびりし過ぎた気もしますが、平成が終わる前に、先日完成させることができました。
さっそく、5月5日の端午の節句に向けて部屋に飾ろうと思います。
「五毒」とは、トカゲ、ムカデ、蛙、サソリに蛇、5種類の毒を持つ生き物を集めた形。それぞれが集まると、お互いに身を守って争わず、五毒協和の魔除けとなって私たちを守ってくれるという考え。
「五毒」のかたちには 、ちょっと近寄りたくないような生き物たちの毒や強い力をバランス良く借りて、逆に守ってもらいたい、という昔の人々の知恵と願いが込められているのだそうです。
『窓花 中国の切り紙』によると、中国では、端午の節句にこの五毒の生き物たちのかたちを麺花(小麦粉を練って蒸して作る)にして首から提げる風習もあるのだとか。
小さな子供たちをなんとかして守りたい、すくすくと元気に育ってほしいという気持ちは、昔も今も、世界中どこでも誰にでも共通する願いですね。
5月5日は、端午の節句。
時代は変わっても今も変わらない、かたちの持つ不思議な力。
どうぞ皆さまこの連休も、たのしく笑顔で過ごせますように。