お天気に恵まれた2017年4月16日(日)、千葉・船橋”子ども美術館”にて、紋切り遊びのワークショップ「折って切って開く。そこに生まれる形の不思議 ―江戸の『紋切りあそび』とアンデルセンの切り紙―」を開催いたしました。
ワークショップ会場の子ども美術館は、花と緑に溢れる「ふなばしアンデルセン公園」の中にあります。
公園の大きな池にはたくさんのボートが浮かんで、気持ちよさそう。
色とりどりの花の合間には蝶が飛び、陽だまりの地面にはやわらかい苔がふくらんでいます。
ちいさな池にはおたまじゃくしや鴨が泳いで、子ども達の元気な声と共に、歌の上手な鶯の声も聴こえてきました。
[ 音声ファイル クリックして耳をすますと池のそばの鶯の声が聴こえます ]
公園のあちらこちらには、アンデルセンの姿が。
こちらのベンチには、人の背丈くらいある大きなアンデルセンの人形がニヤリと座っていました。
今も読み継がれる数々の童話と共に、不思議な魅力の切り紙も生み出したアンデルセンさん。
ワークショップの準備がひと段落したので、少しだけ園内を見学してみます。
どうしてロープが展示されているのかと思って説明を読んでみると、
なるほどアンデルセンさんはかなりの心配性だったのですね。
アンデルセンが紙を切って貼って作った屏風のレプリカをじっと観察。
「これはコラージュだね。へぇー、想像していたのと違ったなぁ。」
花が咲き誇る園内には、アンデルセンの切り紙やモチーフが。
「窓に切り紙があるときれい」
「窓花を思い出すね」
広い公園をずんずん歩いていくと見えてくるのが、緑が茂る小高い丘の中に入っていくような、不思議な建物の子ども美術館です。
今日のワークショップでは、江戸時代に楽しまれていた日本の切り紙「もんきり」と、アンデルセンの切り紙のコラボレーションに皆でチャレンジしてみようと思います。
会場には、子どもから大人まで、たくさんの方が集まりました。
この中で紋切りをやったことがある人は、おひとりのみ。
その他の皆さんは、はじめてだそうです。
さっそく、紋のデザインの楽しさをみんなで発見しながら、実際に紙を折って、切って、開いて、もんきり遊びをしてみましょう。
小さな手で、そーっとそーっと折った紙を切ります。
[ 動画11秒 音が出ます ]
一枚目の紋切りを作ってみると、もっともっといろんなかたちを切ってみたくなる。
それぞれの机の上に、どんどん切った紋切りが増えていきます。
「あ、これ猫みたい」
紋切りを切ったあとの切れ端が、なんだか猫の顔に見えてきました。
「ほんとだ、目をつけてみようか」
「猫だ!」
紙からうまれる偶然のかたちに、想像力がふくらみます。
「さぁ、切った紋切りを、影絵のようにしてみるとどうなるかな。
これは、昔の日本の影絵です」
おもしろいからくり影絵に、皆が集まってきます。
江戸の日本で楽しまれていた、もんきり遊び。
時代や価値観の変化と共に、古い本のページの間に隠れてしまった切り紙。
こうしてその長い間開かれることのなかったページをみんなで開いて、たのしく手を動かしてやってみることで、今を生きる私たちと、また次の世代にも、アンデルセンの童話のように生き生きとその面白さを伝えていくことが出来るのかもしれません。
カーテンを閉めて、電気を消すと、みんなで作ったかたちがうつくしい影となって、ユーモラスなアンデルセンの切り紙と一緒に目の前に現れます。
踊ったり、大きくなったり小さくなったり、風で揺れたりする不思議な影。
「(私の切った紋切りの)影はどこ?どこ?」
「もっと影を大きくしたい!」
みんなで時間を忘れて夢中になって、紙から生まれたかたちと遊びました。
[ 動画13秒 音が出ます ]
「折って切って開く。そこに生まれる形の不思議 ―江戸の『紋切りあそび』とアンデルセンの切り紙―」ワークショップ。
ご参加の皆さま、そして子ども美術館の皆さまもありがとうございました。