【ワークショップご報告】『旧公衆衛生院「たてもの文様」ワークショップ』港区白金台 港区立郷土歴史館

2020年10月18日(日)に東京の港区立郷土歴史館(旧公衆衛生院)を舞台に開催された『旧公衆衛生院「たてもの文様」ワークショップ』にご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

残念ながらご一緒できなかった皆さまも、ワークショップ班より届いたレポートをどうぞご覧ください。


今回は「たてもの」大好きな大人達が集いました。
コロナ禍で集うこと自体が制限された日々を経て、
参加者も主催側も、みんなが「集える幸せ」を噛みしめてのワークショップでした。

アカンサスや松ぼっくりなどの植物文様に彩られた外観。

秋の長雨の晴れ間。館内も外観にもたくさんの文様の見どころが。
まずは、館内のガイドツアー担当の藤森さんに、映像で見どころを教えていただきました。
このガイドツアーもコロナ禍で半年余り中止になっており、久々のことだそう。
密を避けるために、直接現場を見ながらではなく、映像での解説のあと各人が見たい場所を見て回るという方式です。
苦肉の策ではありましたが、やってみるとゆっくり話が聞けるし、自分のペースで探検して発見する楽しみもあり、案外いいものだなあと思いました。
(禍転じて、新しいやり方を発見!)

エントランス

足下のタイルも手作りの暖かさが。(落雁みたい)

今まで気がつかなかった?。藤森さんとっておきの見所ポイント。
古いエレベーター跡に残されたボタン。

ボイラーの足がヒヅメのある動物のよう!

講堂

エレベーターも水洗トイレも、洋式トイレも、目新しいピカピカの新しい文化だった頃、
この建物に集って、あたらしい日本の「公衆衛生」について研究し普及に努めた人達がいた。
研究者や全国から集まった保健士さん。彼らの熱い思い、戸惑いやワクワクが感じられる「痕跡」がたくさん。
彼らの仕事が、コロナ禍の今にも繋がっているのだな?と思うと感慨深い。

藤森さんのお話から、この建物の改修工事は、あとで本来の姿にもどそうと思えばやれるように、どこを直したのか後世の人にもわかるようなやり方をしているのだということを伺う。

いいなあ。過去の人々の仕事ぶりや考えをちゃんとリスペクトして残していく。
これって、あたり前のようでいてちっともできていないことだと思う。
過去と未来をつなぐこの空間を、たまらなく愛おしくなりました。

建物の中に静かに眠っている「文様」を採集して、自分の手で切り紙にしてみる。
それも、過去の人達と対話するための方法のひとつかもしれませんね。

漆喰の壁に写し出された作品の影はいきいきと美しい

レポート:しもなかなぼ
写真:しもなかなぼ/スタッフ松田