※2022年3月17日更新:みなさんのコト八日「やってみた」をまとめました。
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旧暦二月八日(2022年の新暦では3月10日)は【コト八日】。それぞれのご自宅での自習版 旧暦カフェ・ワークショップの呼びかけました。
前回に引き続き、呼びかけに応じて届いた地域の情報をお届けいたします。
それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ特別自習リンク:
あなたもおうちで参加してみませんか?それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習 「コト八日」2022年3月10日各自自習のため自由参加、参加費不要です
「旧暦カフェ」とは、旧暦の時間軸で日本の年中行事を見つめなおすエクスプランテの体験型ワークショップです。
行事を通じて伝えてきた人々の暮らしと知恵から学び感じる、知的好奇心をくすぐる自由研究の時間。
それぞれの旧暦カフェ 2022年の「コト八日」地域情報
「コト八日」報告
2022年3月15日更新
福知山の友人を介して知り合った永幡さんは、様々な民俗行事を訪ね写真で記録されています。
折々に質問すると、たちどころにいろんなびっくりするような写真、
それも人々の暮らしの中でまだ行事が生きている場面の写真を送ってっくださるのです。
いつもドキドキ。まだまだ、日本も捨てたもんじゃないな〜と思わされます。ありがとう。(下中)
こんにちわ。春、ついにほんとに来かけてますね○
この時期のうれしい感覚は、ちゃんと味わいたいと思っています。
さてコト八日ですが、メールいただいて、あら、こんな謎な行事だったのかとびっくりしています。長野県のコトヨウカ行事のようなものでイメージしていましたが、なんとバリエーション豊かな、、お写真にあった”ざる”もすごく愉しいです。
12月8日の山の神や、もともと2月8日(旧暦含む)日程のオコナイやらもコト八日の一つなのでしたら、関西にもけっこうあちこちありそうです。
以下、たくさんのフィールドワーク写真を送ってくださったのですが、
ちょっとだけご紹介。
お送りした写真の内容について少しご紹介させていただきます。
・厩所&上手町のコトヨウカ(貧乏神送り)
大きなワラ馬をこしらえて、じじ&ばばの人形を乗せて村を回り、最後は燃やしてしまいます。上手町では、夜中にワラ馬を引くのですが、道中で馬に火をつけてしまい、燃えるワラ馬を村の外れまで賑やかに囃しながら引いていきます。
・道祖神にぼた餅を塗りつける
今ではずいぶん少なくなってしまったそうですが、多くは早朝に、各家庭で道祖神に餅を塗りつけに出てこられます。白餅、あんこ餅、きな粉餅、枝に刺した可愛い餅花もいくつかありました。人形ではなく、石碑に文字を彫った道祖神も多くありますが、その凸凹に餅を付けておられるところもあり楽しかったです。また、化粧地蔵のようにこの日にお化粧直しをされる道祖神もいて、写真の一箇所は、ファンデーション?など本物のお化粧できれいにされているとのこと(長持ちしませんが、、)。
・ヌカエブシ(ことえぶし)
実際に行われているところには立ち会えずで、写真はその跡なのですが、長野県ではまだされているお家が少数ながらあるそうです。
https://twitter.com/miyo_photo/status/1490916511791595520
https://blog.goo.ne.jp/trx_45/e/1d0ff508f89f4bc9ff63ee12a25654ae
↑すでにご存知かもしれませんが、この方のブログがコト八日についてとても詳しいです。
・神島のコトオサメ
鳥羽あたりでは夏の終わりに精霊船を送るところが多くありますが、離島の神島では、12月8日に”コトオサメ”としてヤリマショ舟を送り出します。
https://ameblo.jp/jun-web/entry-11020660878.html
とっても興味深い島で、昔からの風習が、年間を通じて濃密に伝承されています(元旦の”ゲーター祭”とそれに伴う行事は休止中、、)。
・北白木の八日講
奈良のなかなか山奥の小集落で、こちらも年間通じて、丁寧に行事をされています。12月8日の八日講では勧請縄をかけます。
・針供養&大根焚き
針供養も大根焚きもコト八日の一つだとは思ってもみませんでしたが、関西ではあちこちでやってますね。豆腐に刺して供養する針供養もあるとのことで、是非とも見てみたくなりました。
滋賀で、村の男衆が大根の炊いたのもの作り、それを村の女性たちに接待するという八日汁の珍しい行事があります(まだ未見、、)。
少しでも参考になればいいのですが、ざっくりとこんな感じです。
永幡淳平
コト八日という行事は、これまで全然知りませんでした。なんとも興味深い行事ですね。
「天の眼」というと、中国では昔から人間の行為は「天から見られている」という意識が根強く存在してきましたが、それを具現化させたようなキャラクターはいないかもしれません。
道教の神様のなかに、額に三つ目の眼(なんでも洞察できる天眼)を持つ人物がいますけど。
この一つ目小僧という妖怪は「天の眼」の分身なのか、お使いなのか知りませんが、とても日本的なキャラクターですね。水木しげるさんの描いた目玉おやじのことを思い出しました。
自習をやってみたいと思います。
うちには目籠がないようで、何かほかの目のあるものを代用品にしてもいいかしら。
へえ、ベランダーに変なものをかけている変な外国人がいる、と一つ目小僧が思うかもしれません。
ここ二ヶ月は大学の春休みですから時間は比較的に自由で、ほぼ毎朝、芝生の上で気功の練習をやっています。
確かに、ぐんぐんと足元から春が近づいているのを感じます。
その一方、コロナの天災についで、戦争という人災が始まってしまい。。。
天の眼を意識すると、愚かな過ちがもうちょっと避けられるはずなのに。
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いよいよ2022年の旧暦二月八日がやってきました。
朝起きると、ベランダーに出かけて、家の中で一番目の多いもの、バングラデッシュのジュート(黄麻)で編まれた買い物袋を高く掛けました。
早春の柔らかい日差しが、麻の目の間をやさしく通過しました。
バングラデッシュの独立戦争で父親や夫を失った女性たちが、自活するためにジュートを使って物作りをするそうです。
それを近くの小さな店で発見し買ったのですが、ビニール袋がなかった時代の人々のように、買い物の時に使おうと思っています。
へえ、なんだか変な物って一つ目小僧が興味を持ってくれるかどうか。
もっとも私は妖怪が好きだから、ほんとは一つ目小僧に一目会ってみたいと密かに思っていますが。
前日に図書館から柳田國男さんの「一つ目小僧その他」を借りてきました。
とてもスリリングな論考で、とくに「一つ目」の由来を論じる箇所を読む時、戦慄さえ覚えました。
そこまで紹介すると複雑になってしまうので、下記の一句だけを引用しよう。
「曰く一つ目小僧は多くの「おばけ」と同じく、本拠を離れ系統を失った昔の小さい神である。」
本を抱えて、いつも通っている地元のカフェに寄りました。
そしたら他の常連客との会話は自然と一つ目小僧に及んだが、「あはは、神様は妖怪の方が気楽だから、自ら神をやめて妖怪になったと思うよ」、宮崎駿さんによく似ている一人の叔父さんはいかにも楽しそうに喋った。
このような楽しい会話が生み出されるのも自習のおかげですね。
今日はいつものデスクワークをやりながら、ベランダーの方をちらりちらりと眺める。
そして目という存在の不思議さ大事さを改めて意識する。
「地獄とは他人の目のことである」という言葉があるようです。
しかし、目と目が出会えないところこそ「地獄」ではないでしょうか。
一つ目小僧がどこかで私を覗いてくれている、天の眼が遠くから私を眺めてくれている。
そう思うと、なんだかほっとした暖かい気持ちになります。
さあ、私も目を見開いて、今年の「事始め」にしっかり取り組もう。
韓氷さん(国立市、中国河南省出身)
こんばんは。コロナ禍、人に会うことが激減。でも、歩くことを日課、元気に暮らしています。
「一つ目小僧」「コト八日」は面白いですね。
伊豆にあるのか?調べてみます。
竹に掲げられた籠、私もやってみよう!
籠神社というのが何処かにあった記憶あり。若狭湾近くの浦島神社近くだったか?
柳田國男没50年記念企画展カタログ『民俗の宝庫 《三遠南信》の発見と発信』—–柳田國男・折口信夫らによる調査研究のあゆみ—–をめくっていたら、記載された地図の中に何と!!!「竜東のコト八日行事」が記されていました。飯田市の東のエリアです。それ以上のことは記されていませんでした。こうなると、伊那谷に行きたいな~。
後日ご友人が調査に関わった、こんな報告書を送ってくれました。
(ネット上でも以下で見ることができます。)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/minzoku/mukei_kiroku/pdf/r1392266_05.pdf
大竹誠さん(伊豆高原)
コト八日。
まだまだ知らない事がいっぱいで、菜穂さんからこうして教えていただくことで視野が広がります。
いつもありがとうございます。
大きなカゴで何か捕まえられそうですね!
三好徳子さん
これまでの旧暦カフェ・ワークショップ:https://www.xpl.jp/tag/kyurekicafe/