【自習ご報告:1】それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(5) 端午の「葉の力」

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※8/8情報追記しました。

◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ

旧暦5月5日(2022年の新暦では6月3日)は【端午】。それぞれのご自宅での自習版 旧暦カフェ・ワークショップの呼びかけました。

引き続き、呼びかけに応じて届いた地域の情報や報告をお届けいたします。

それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ特別自習リンク:
あなたもおうちで参加してみませんか?それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習 『端午の「葉の力」』2022年6月3日各自自習のため自由参加、参加費不要です

「旧暦カフェ」とは、旧暦の時間軸で日本の年中行事を見つめなおすエクスプランテの体験型ワークショップです。
行事を通じて伝えてきた人々の暮らしと知恵から学び感じる、知的好奇心をくすぐる自由研究の時間。

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篠崎純子さん
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端午の節句🎏に楽しむわらべうた
「よもぎ じょうぶの」です

蓬と菖蒲を束ねて、追いかけ鬼をしてお尻を叩く遊びです
子どもはお尻を思い切り叩く面白さ、逃げるスリルで大喜びです。

『日本のわらべうた全集 9 下 新潟のわらべうた』(柳原書店)
に元歌が採譜されています。

「五月五日、端午の節句は男の子の節句と言われる。この歌は五日の夕方から夜にかけて、菖蒲の葉を藁で束ねて棒を作り、男の子達が家のまわりの地面や道路を菖蒲の棒で打ちつけながらうたうものである。五月の夜空にこだまして、節句の雰囲気は最高潮に達する。菖蒲には、邪気を祓い、人間の身体を正す力があると信じられている。一種の物忌行事である。」
との解説がありました。





◉ちまきについて

鳥取育ちの私にとって、
「ナンメのまきの粉」の袋を見ると
ちまき作りが始まるなーとウキウキでした。

祖母や母が山裾の熊笹を、わっさーと沢山とって来てきれいに洗い、
「ナンメのまきの粉」が、大きな金だらいの中で、砂糖と水で練られて、真っ白いかたまりになります。

このかたまりを、大人の巻き方を見よう見まねで、笹に巻き込んでいました。

セイロの中に、びっしりと並べられたちまきが、蒸される香りもよいものでしたが、子どもにとっては、粗熱がとれて、笹から離れやすくなっただんごが嬉しいおやつでした。
家々によって、生地に入れる砂糖の量が違っていて、味が違いました。
私の家は砂糖を抑えてあり、笹の風味が強かったです。
通勤路で熊笹を見つけたので、自分でもやってみたいですねー。

南目製粉のインスタに、篠崎さんが巻いていた巻き方が投稿されていたそうです。

下中菜穂より篠崎さんへのお返事
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おお!篠崎さんならではの自習報告ですね。
実際にある風習を保育園の遊びや童歌を通して、
伝承する活動があるのですね。
素晴らしいです。背景を色々知りたいなあ。

ちまきの記憶。
いいなあ。こういう記憶が今の保育士としての篠崎さんの根底にあると思うとなんだか嬉しい。
今の子供たちにもこんな記憶を作ってあげたいねえ。

大竹誠さん(伊豆高原 元・美術大学教授 千葉 山梨)
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◉「一つ目小僧」に関して以下のものがありました。

『カミの人類学-不思議の場所をめぐって』(講談社文庫、岩田慶治著)より
「スムライ族(ボルネオ)は、古代の日本人がそうであったように、昼と夜をひっくるめて一日と呼ぶことはしない。昼は昼、夜は夜である。だから、今日的な用法で一日というときには、一日(ム・アリ)一夜(ム・プトム)といわなければならない。かれらにとって昼は人間の世界であるが、夜は妖怪(クムー。マレー語のハントゥーにあたる)の世界なのである。だから、夕方になるとすべての村びとは家に戻り、それと入れ違いに妖怪どもが夜の森に出没することになる。ハントゥー・サトゥ・マタ(一つ眼の妖怪)という怪物がいる。この妖怪は別名ハントゥー・アピ・アピ(アピは火)という名前からも知られるように、つねに身体を隠して眼だけギラギラと輝かせている。木のぼりが巧みで、好んで人間を捕えて食べるという。ハントゥー・サトゥ・カキ(一本足の妖怪)という怪物がいる。この怪物は好んで川べりに出没し、人間が近づくと捕えて食べる。ハントゥー・ドゥア・ギギ(歯が二つの妖怪)という怪物がいる。この怪物は森のなかにいてオギャー、オギャーと泣いている。そこで妊娠中の女性がこれを見るとその子供が死ぬといわれている。」

「夜」を消した近代社会、妖怪の出没しなくなった社会がつまらなくもありますね。
スムライ族の大人は夜になるとすごすごと家に帰るそうです。
妖怪封じに竹の籠など掲げたかもしれませんね。

屋根に「菖蒲の葉と花を添えて」置くのも、妖怪封じかな?

他のページ(野生の眼)には、「事八日」の記述、
「籠に編みだされた数多くの眼の威力によって一つ目の鬼ないし一つ目の疫病神を払いのける」があり、その風習はアジアにもあるとして、 「眼によって眼をしりぞける。そういう思想については、かつてラオス、タイの呪標ターレオをめぐって開設したことがある。ター(眼)レオ(鷹)をつくる。竹片を編んで籠目をあみだし、それを部屋の入口や屋敷のまわりにかかげておく。あるいは新開の畑や苗代田のまわりにたて、それによって悪霊を払う。農民の考え方として、あるいは僻邪の呪術として両者はきわめて類似したものである。ラオスにはその他があって、眼をめぐる原初の多様性を推測させてくれる。」

「竹」が多い、アジアならではの「籠」。その籠目を「眼」に見立てて悪霊退治を想像したわけです。
自然と一体の暮らしから生まれた共通する「暮らしの風習」なのでしょうね。
そういえば、「口琴」もアジアでは「竹」でした。
インドネシアのガムランの「竹」、「笙」「笛」「鳴子」「鹿威し」「尺八」とアジアの楽器には「竹」が多い。

◉「葉っぱ」について。

我が家では、シソの葉がどんどんできてしまいます。
そこで、蕎麦つゆの薬味以外に、韓国のエゴマ包みにならって、「焼き餅を包んで醤油をつけて」「手巻きすしの海苔がわりに」などしています。重宝です。

また、「明日葉の葉」と「煮干し」を油で炒めます。
ご飯にのせて食し、パンにのせて蕩けるチーズをかけてピザにしたり。どんどん生えてくる明日葉は貴重な食材です。

下中菜穂より大竹さんへのお返事
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「一つ目小僧」はアジアに広がっていきますね。
もしかして、世界中にあるのかも。
一つ目の謎、もっと追いかけてみたいテーマです。

西村優子さん(川崎市)
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我が家では、毎年恒例の菖蒲湯に入ってます。
菖蒲湯に入る理由はわかっているような、わかっていないような気もしますが、
端午の節供になると、子どもたちは、「今日菖蒲湯だよね。」と言ってきます。
ひとまず、毎年端午の節供に菖蒲湯に入ったという記憶と、
その都度、母が笑いながら写真を撮っていたという記録だけは、残してみようと思います。
理由は、そのうちわかってもらえたらと思うので、どこまでできるか(撮影の許可がでるか)
やってみたいと思います。



下中菜穂より西村さんへのお返事
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ほんと、少年たちの成長が楽しみな写真ですね。
こんなふうに今の暮らしの中に昔の風習を活かしていきたいものだなあ。

スタッフO(さいたま市)
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わが家は粽ではなく、柏餅が定番です。
一度、小学校の給食で甘い粽がメニューにありました。
初めて食べるもので、面食らった記憶があります。

粽を作る習慣がわが家にはないので、アジアのお店が集まる「川口チャイナタウン」へフィールドワークに。
中華・タイ・ベトナム・インド・韓国の各食材店をぐるりと巡り、「葉っぱ」を探しました。

最初に入った中華食材店で早速「葉っぱ」を発見。
読めません…。



乾燥とパウチの生、の二種類がありました。が、大きい!
これは笹…ですか?ご存じの方、教えてください。


びっくりサイズに比較写真を撮る

葉っぱの横にはタコ紐が売られていました。
この日は端午節当日だったこともあり、店先には温めてすぐ食べられる即席粽が山積み。
味は小豆・雑穀・棗、の三種類。これは美味しかった!
誰でも何処でも端午節を気軽に味わえますね。



かつては漢字が使われ、中国文化の影響が強いベトナムですが、意外にも食材店に粽や「葉」は売られていませんでした。
端午はどうしているのだろう?と新たな疑問がむくむくと。

食べ物から行事と文化をしっかり感じてきました。楽しかったです〜。


*8月8日追記

小林こずえさん(東京・昭和のくらし博物館学芸員・大阪、岡山)
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青森(と北海道)の節句菓子、「べこ餅」の写真を送ります。

元は渋い黒糖色の伝統紋様(熨斗や松)だけだったのが、だんだん鮮やかな色模様のものになったそうです。小林くん(連れ合い)のお母さんの実家である青森県下北半島では普通に食べていたと知ってびっくり。
お店で買っていたそうですが、いまでも手づくりしている人もいて、現代風にアレンジしている人がいたので、作ってみました。(一応リンゴです)
もう一つの写真は、サミットで売っていたべこ餅

(北海道コーナーだったかな)。これも発見してびっくり。行事の商品を集めるのも面白いですね。


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