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→端午の「葉の力」自習ご報告:2
→端午の「葉の力」自習ご報告:3
→端午の「葉の力」自習ご報告:4
◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ
旧暦5月5日(2022年の新暦では6月3日)は【端午】。それぞれのご自宅での自習版 旧暦カフェ・ワークショップの呼びかけました。
引き続き、呼びかけに応じて届いた地域の情報や報告をお届けいたします。
それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ特別自習リンク:
あなたもおうちで参加してみませんか?それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習 『端午の「葉の力」』2022年6月3日各自自習のため自由参加、参加費不要です
「旧暦カフェ」とは、旧暦の時間軸で日本の年中行事を見つめなおすエクスプランテの体験型ワークショップです。
行事を通じて伝えてきた人々の暮らしと知恵から学び感じる、知的好奇心をくすぐる自由研究の時間。
* * * * *
紀宝町立図書館長の岸葉子さんは、「旧暦カフェ」自習に毎回楽しみに参加してくださっています。
さすが図書館!資料を扱うプロですね。今回も端午やちまき、柏もちに関する資料をたくさん見つけて送ってくださいました。その中でいくつかご紹介します。
◉三重県の「おさすり」
米の餅によもぎを搗き込み、中に小豆のあんこを入れ、サルトリイバラで包んで蒸す。
ちまきは米の粉に塩をひとつまみ入れ、水で練る。川笹3まいに人差し指ぐらいに握った餅を包みしめぐさでぐるぐる巻にする。茎をつけたまま蒸籠で蒸す。黒砂糖や砂糖醤油をつけて食べる。
ちまきは男の子、おさすりは女の子を表す。
なんと!これはびっくりの解釈です。でもナットク。なるほど〜いわれてみたらそうですね。
粽が男で柏餅が女という説は私も初耳で、たぶん三重県の紀北町や尾鷲市あたりの話のような…。
この辺では、とにかく「おさすり」です。男女問わず。夫も子どもの頃、「おさすり作り」を手伝ったそうです。
母親が丸めた餅を木の板2枚くっつけたような道具で挟んでのばす作業をイヤイヤしたそう。笑
柏餅と書いて売られていることもあるけど、大人になってから柏餅の葉は別物と知って大ショックでした!
また、山などで「おさすり」の葉を見つけると必ず摘んで、さすったり頬にあてたりしてすべすべした感触を楽しみました!
まあるい葉っぱもかわいらしく大好きな葉っぱです。
「おさすり」にした場合、食べる時にぺろんときれいに葉っぱがはがせるので、これまた大変気持ちいい!
他の葉っぱは考えられません。
◉南伊勢町の「包み飯」
キササゲの葉に炊いた赤飯を乗せ、焼いたハチクとカツオの生節を甘辛く煮たものを乗せ包む。ショウブとヨモギを添えて藁で結ぶ。昔は単語の早朝から50〜60個も作り、嫁いだ娘や嫁の実家などに配った。田植えの時は一家総出で作業し、昼ごはんに食べた。
こんな新聞広告も見つけてくれました。
う〜ん。ご近所だったら、ぜひ私もこのアルバイト応募したいです。
いったい何枚ぐらい必要なんでしょうね。
◉端午に使う「葉」はこんなにある!
かしわ餅型
サルトリイバラ、カシワ、ホオノキ、ミョウガ、ナラガシワ、コナラ、ニッケイ、カシ類、クヌギ、ヤブツバキ、アカメガシワ、アベマキ、カキノキ、クズ、マテバシイ、ミズナラ、ムベ
ちまき型
ササ類、ヨシ、ススキ、タケ類、マコモ、ゲットウ、トチノキ、ナラガシワ、ヤダケ、ホオノキ、クヌギ、ビロウ、ダンチク、カシワ、ミョウガ、バショウ、チガヤ、アベマキ、クリ、アカメガシワ、アオノクマタケラン
「かしわもちとちまきを包む植物に関する植生学的研究」(「人と自然」2007)より
また、和歌山県太地町は今も旧暦で端午の節句を祝うそうです。
日にちが若干違うのは、ご愛嬌?
この辺では、桃の節句を旧暦で祝う人もいるようですが、旧暦だと言って「4月3日」にします。私もずいぶん大きくなるまで、旧暦はちょうど1か月遅れだと思っていました。
日めくりカレンダーを見るたびに、旧暦は2種類あるのか?と長年にわたり謎でした。
こういうものなのか、この辺の人は「ざっくり」しているのかな?笑
みんなで作るこいのぼり 旧暦に合わせ掲揚 太地小(太平洋新聞)
https://digital.taiheiyo-np.jp/wakayama/taiji/33617