【自習ご報告:2】それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(8) 月と菊。そして山

◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ

今回の「旧暦カフェ」自習は「重陽」の提案でした。
https://www.xpl.jp/ws-20221004jisyu/

引き続き、みなさまからのお便りをご紹介します。


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佐藤小菜さん
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旧暦カフェの自習、 盆と正月がいっぺんに来たような、てんこ盛りですね。

月と重陽の節句は、 新暦の重陽の節句と十五夜が連日になり、ちょうどデイサービスでお話をしていました。
あれは本当に楽しい時間でした。
当日の食事は、お月さまの力を体に取り込みましょうと、丸く丸くお団子づくしにしました。
鶏団子汁、さつま芋団子、煮物のお野菜も丸く丸く。芋名月にちなんで、里芋も。

旧暦では十三夜と近いんですね。
今回は自宅で楽しみたいと思います。

涼しくなって風が気持ちよくて、お月さまもきれいで、お米や野菜の収穫に感謝して。
行事を通して、よい季節を存分に味わえるようにと、先人がしかけを用意してくれているようです。

神谷真生さん
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お盆、お彼岸、日想観……

私自身は、浄土真宗の家で育ったので、 ご先祖は亡くなるや否や速攻でもれなく仏になって極楽浄土にいるらしく、 お盆には帰ってこないし(なんか寂しい)、 うっかり彼らが地獄の沼に落ちないよう、仏道を無事まい進できるよう 子孫がお経を上げたりお供えする、ということはなく、 そのかわり、お盆やお彼岸などの節目には、その存在に感謝したり、徳を思ったりせよ、 というふうなことだったみたいですね。

といっても、そこが日本仏教。

結局やることは、お坊さんにお経読んでもらったり、説話してもらったり、 香華を供えたりで、ほかの宗派とほとんど変わらんのですよ。
宗教が形式化していく過程を考えるうえでも、 なんだかおもしろい話題だなあと、ぼんやり思っています。

お彼岸といえば、昔、折口信夫の「死者の書」を読んだ際に、 浄土思想でいうところの日想観とか、 または、昼夜がほぼ均等になる春分・秋分の日にこそ 彼岸(あの世)と此岸(この世)がいちばん近づくという考えって こういうことなのかーと初めて思った記憶があります。

「あの世がらみ」だけに、日本の仏教では、 お盆とともにご先祖に結び付けて行事化しているようですが、 なぼさんの書かれたように、お彼岸はやっぱり、もともと太陽が主役と思います!
春分・秋分や夏至や冬至など、なにか特別なタイミングでの太陽の出入り角度を意識した 古代の巨大建造物は世界中でみられるとのことですし。

……太古の人間に共通する太陽崇拝の名残りが、日本でのお彼岸にも垣間見られるかと思うと、 いきなり意識が宇宙規模に広がりそうで、つい、長々と書き連ねて失礼いたしました!
ほんと、皆さまといろいろ語り合いたいことの多い話題ではございますが、 またいつか時間のあります折にぜひ!

永幡淳平さん
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菊と月と山、、
なんとも興味深いテーマです。
その目線で行事を見たことがなかった気がして、この初秋はその目玉でもキョロキョロしてみようと思います。


永幡淳平さん提供

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