◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ
東京の保育園で働いている篠崎です。
私の実家は、流し雛の伝統行事で有名な、鳥取の用ヶ瀬(もちがせ)にあり、ひなまつりには思い入れを持って育ってきました。
東京の新暦でのひなまつりを、初めて体験した時、「あわてて出して、あわててしまうんだなあ」「ひなあられって、パラパラなんだなあ」と違いに驚いたものです。
今年は、旧暦閏月のおかげで、旧暦三月三日が4月22日(土)となり、働いている人や地元を離れた人も集まりやすく、私も久しぶりに帰鳥して流し雛を楽しみました。
駅から続く旧街道の家家の入り口や縁側に、そのおうちに伝わる雛人形が顔見せして迎えてくれました。
旧家になると、江戸・明治・大正の、代々の雛人形が飾られています。
紙雛や平面的な木目込細工の雛は、さらに古い時代のものでしょうか。
私の記憶の中では、雛人形は新暦の3月を迎える前に出して、旧暦の三月三日まで飾るものなので、東京の「あっという間に出して仕舞う雛人形」に忙しさを感じてしまいます。
町をあげての行事なので、やはり餅つきは欠かせませんね。郵便局の脇で、ちゃんと蒸し蓬を搗き入れた、蓬餅を作っていました。
雛を流す千代川(せんだいがわ)まで、出店が続き、過疎の町が賑わいます。
そして晴れ着に身を包んだ親子が、「穢れや災いを持ち去って頂く」流し雛を川の流れに乗せて、手を合わせます。
私も幼い日に、流しました。
今年は、閏月でかなりズレがあったため、菜の花や桃の花が終わっており、飾る花にも苦労されていました。
旧暦三月三日に行い続けるのに、人が集まりにくいとか、学校や会社との調整が難しいとか、課題はあるようですが、やはり「ご神事」としての性格が強く、これからも旧暦で行われる事でしょう。
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さて、私の実家の母と仲間の皆さんが、3年ぶりに、実家の庭に「休けい処 きなんせぇ」を出しました。
(「きなんせぇ」とは、鳥取方言で、いらっしゃい!という意味の呼びかけです)
伝統行事を機会に、生きがいや手仕事が大切にされているので、ご紹介します。
雛流しをする岸の対岸に、「流し雛の館」という観光拠点があります。
実家はその、「流し雛の館」の斜め向かいにあります。
実家の縁側に飾られた人形達です。
三姉妹だった私達のもの以外に、頂いたものもあります。
叔母の実家にあった、古い時代の平面的な雛も見せてもらいました。
休けい処「きなんせぇ」、のーんびりと開店
亡き父は、庭に豪華な日本庭園を作る野望を持っていたようですが、賑やかな女衆にかかると、人が集うのに絶好なスペースになります。
手作りの布草履 足裏の当たりが柔らかく、古い着物が鼻緒に使われていて、私も愛用しています。
豪華な帯に載せて、おしゃれに販売していますねー。
着物生地や縮緬を使った吊るし飾りや、小物。
トンボブローチ、ポーチなど。
人の手で作られたものは、愛おしいですね。
栃餅も手作り。
栃の実の粉を作ってくれる、おばあちゃんは、「今年で終わりかなぁ」と言いながら、毎年準備してくれるそうです。
栃の実を山に入って取りに行くこと
アクをよく抜くこと
粉に挽くこと
膨大な手間のかかる手仕事ですものね
実家に戻ると、時間の流れ方が違っていて
「手間を惜しまず、人やモノに向かうこと」を思い出します。
今、東京で飛ぶような時間に追われて、クタクタになりますが、
保育園で子ども達と、なるべく「手間を惜しまず、人やモノに向かう」暮らしをしていきたいと思いました。
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