それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(13)   卯月八日の天道花2023

ヒメジオンは、草むらの中の小さなお天道さま

山滴るころ。
あれよという間に若葉の色も濃く、深くなりました。
今年は閏如月で、如月を2回繰り返したので、
卯月八日(旧暦4月8日)は、新暦では5月27日。

繰り返すこと

今年で、「天道花」を「やってみる」も5年目。
そもそも、自分の中になかった「行事」を思い切って「やってみる」ことをはじめたのは
この「天道花」がきっかけだったような気がします。
その時期に咲いている花を集めて、竹竿の上に高く掲げる。
なぜやるのか?という意味を超えて、その高揚感に魅了された気がします。
そして、毎年繰り返し「やってみる」ことで、
なんだかしっくりと自分にとっての当たり前になってきました。うふふ。

「なぜやるかなんて知らないけど、昔からやると決まっているものだから」

今も行事を受け継ぎ続けている方のこんなセリフ、う〜ん、かっこいいなと思っていたのですが、
私たちももう何年か後にこんなセリフを吐けるかもしれませんね。笑

意味のわからない論語を暗誦し、身体に染み込ませる。
意味は後から、それぞれの腑に落ちるタイミングで分かればいい。
職人の手業を黙って見る。わかる時が来るまで待つ。
それぞれのレベルに合わせて物事を知り、一歩一歩進む。

私達の祖先はずっとそういうやり方で物事を伝えてきたんですよね。
簡単に身につけた「知識」は、分かった気になるだけで、
身体の表面を素通りして、失われやすいけど、
ゆっくり知ったことは、身体の一部になる。
行事の意味は繰り返すことで、ゆっくりと私たちの身体の一部になっていくのかもしれません。

 + + +

天を想え

コト八日には、籠(太陽を象徴)を空高く掲げ冬の期間に弱った太陽の復活を願う。(12月8日〜2月8日)
そして、春から初夏へと移る4月8日には「天道花」。
私たちに「空を見上げる」= 天とのつながりを思え
ということを繰り返し促しているのかもしれないなあ。

さて、今年はどんな「花束」になるでしょう?
今回の「やってみる」では、あなたがやってみた「天道花」の写真を送ってください。

去年の卯月八日はこんな花が咲いていました。

供物や呪物の行方

もうひとつ、気になっていることがあります。
さまざまな行事に使用したお供え植物は、その後も何やら霊験があるらしく、
簡単にポイッとは捨てないことが多いのです。
そういう考え方、面白いな〜と。
節分の豆もとっておいて、雷が鳴るときに食べると雷除けになるとか。
天道花もそのひとつ。行方不明者が出ると、このドライフラワーをこのドライフラワーを燃やして、煙の方向で行方を占うらしい!?

歌の力

歌のおまじないも気になります。
便所にこの和歌を逆さまに貼ると虫が出ないとか。

つつじの赤

書物で調べると、天道花にするという花の筆頭にツツジが挙げられることが多い。
確かに、山の中で咲くツツジの赤には、ハッとさせられるものがある。
実は私は、庭木のツツジはあまり好きではないのだけど、
山のツツジを見るたびに思い出す物語があります。
松谷みよこの「つつじの娘」。
夜毎に好いた人に会いに行く娘。
山を駆け、谷を越えて走る。その手に握った米粒か餅になってしまう。
ツツジの赤は、そんな情念の色。
この物語は、長野県の伝説に題材が元になっているそう。
もし、まだ読んだことのない方はぜご一読を。

今回の旧暦カフェ自習のよびかけです。

◉「やってみる」自習の提案

(1)あなたがやってみた「天道花」の写真を送ってください。

では、みなさんの「天道花」お待ちしています。


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日程:2023年5月27日
参加形式:
今回は自習のみですので自由参加 参加費は不要です
場所:各自皆さんのおうちで。安全やマナーに気を付けて楽しく自由研究してみましょう!
※日程は目安です。ご都合に合わせてご参加ください

さぁ、あなたも #旧暦カフェ天道花2023 してみませんか?

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エクスプランテ e-mail: u-yu@yj8.so-net.ne.jp
*ご自身のtwitterやinstagramなどのアカウントから #旧暦カフェ天道花2023 とタグ付けして投稿してくださってもOKです。双眼鏡で探して拝見します。小社SNSへのリプライも大歓迎です。
*メールは5月27日以降に送っていただいても構いません。気長にお待ちしております。
当サイトでご紹介します。匿名や非公開を希望される方はお書き添えください。
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